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Blu-ray & DVD 7/3(金)発売!

<謎の指揮者>と<負け組楽団員>が巻き起こす、笑いと涙の本格的音楽エンタテインメント!

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最新情報

    イントロダクション

    松坂桃李、西田敏行が楽器演奏&指揮に初挑戦!miwa、映画初出演!!

    舞台に映画にと精力的に活動する実力派、松坂桃李と、日本映画界の顔、西田敏行が初共演。それぞれ初めてとなる楽器演奏&指揮にも挑戦し、演奏シーンでも演技派ぶりを発揮!そして、10代に圧倒的な人気を誇るシンガー、miwaが映画初出演!天才フルート奏者あまねを天真爛漫に演じる。一癖も二癖もある【負け組】楽団員と、彼らを周りからサポートする人々を個性豊かに演じるのは、古舘寛治、濱田マリ、河井青葉、嶋田久作、中村倫也、松重豊などベテランから若手まで揃った演技派俳優陣。
    原作は第12回文化庁メディア芸術祭で最優秀賞を受賞した、さそうあきらの「マエストロ」(双葉社刊)。監督は『毎日かあさん』のヒットも記憶に新しい小林聖太郎。脚本には『八日目の蝉』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した奥寺佐渡子。元名門オーケストラの人間模様が鮮やかに描かれる。

    世界的指揮者・佐渡裕と奇跡のピアニスト・辻井伸行、最高峰の音楽家たちも全面参加!!

    指揮指導・指揮演技監修には日本を代表するマエストロ、佐渡裕が日本映画初参加。クライマックスで流れる、佐渡指揮、ドイツの名門ベルリン・ドイツ交響楽団演奏のベートーヴェン「運命」とシューベルト「未完成」は、スタンディングオベーションしたくなるほどの高揚感! エンディングテーマは、奇跡のピアニスト辻井伸行によるオリジナル。撮影現場を訪れイメージを膨らませて作曲された名曲は、映画の感動を優しく包み込む。世界的音楽家2人の奏でる【本物の音楽】が、映画全体に興奮と感動を与えてくれる。
    クラシック音楽では定番中の定番である「運命」「未完成」をモチーフに《オーケストラ》のイメージを一新。50人それぞれが奏でる【音】が響き合った時、初めて【音楽】となる。その一瞬を共有し、誰かと響き合うことで、“運命”は変えられることを描いた、笑って泣ける《感動オーケストラ・エンタテインメント》が誕生した!

    世界的指揮者・佐渡裕と奇跡のピアニスト・辻井伸行、最高峰の音楽家たちも全面参加!!

    指揮指導・指揮演技監修には日本を代表するマエストロ、佐渡裕が日本映画初参加。クライマックスで流れる、佐渡指揮、ドイツの名門ベルリン・ドイツ交響楽団演奏のベートーヴェン「運命」とシューベルト「未完成」は、スタンディングオベーションしたくなるほどの高揚感! エンディングテーマは、奇跡のピアニスト辻井伸行によるオリジナル。撮影現場を訪れイメージを膨らませて作曲された名曲は、映画の感動を優しく包み込む。世界的音楽家2人の奏でる【本物の音楽】が、映画全体に興奮と感動を与えてくれる。
    クラシック音楽では定番中の定番である「運命」「未完成」をモチーフに《オーケストラ》のイメージを一新。50人それぞれが奏でる【音】が響き合った時、初めて【音楽】となる。その一瞬を共有し、誰かと響き合うことで、“運命”は変えられることを描いた、笑って泣ける《感動オーケストラ・エンタテインメント》が誕生した!

    ストーリー

    若きヴァイオリニスト香坂のもとに、解散した名門オーケストラ再結成の話が舞い込む。だが、練習場は廃工場、集まったメンバーは再就職先も決まらない「負け組」楽団員たちと、アマチュアフルート奏者のあまね。久しぶりに合わせた音はとてもプロとは言えないもので、不安が広がる。そこに現れた謎の指揮者、天道。再結成を企画した張本人だが、経歴も素性も不明、指揮棒の代わりに大工道具を振り回す。自分勝手な進め方に、楽団員たちは猛反発するが、次第に天道が導く音の深さに皆、引き込まれていく。だが、香坂は名ヴァイオリニストだった父親が死んだ裏には天道が関係していた事を知り、反発を強めてしまう。あまねのひた向きに音楽に取り組む姿勢を目の前にしながらも素直になれない香坂。

    そして、迎えた復活コンサート当日、楽団員たち全員が知らなかった、
    天道が仕掛けた“本当”の秘密が明らかになる――。

    キャスト

    スタッフ

    監督│小林 聖太郎

    監督│小林 聖太郎

    1971年生まれ。大阪府出身。
    1994年関西大学法学部政治学科卒業後、ジャーナリスト今井一の助手を経て、原一男監督主宰の「CINEMA塾」に参加とともに、TVドキュメンタリー「浦山桐郎の肖像」の助監督を務める。その後、フリーの演出部として『ナビィの恋』(99)、『ゲロッパ!』(03)、『ニワトリはハダシだ』(04)、『パッチギ!』(05)、『雪に願うこと』(06)など多くの作品に参加。2006年、デビュー作『かぞくのひけつ』により第47回日本映画監督協会新人賞、第13回新藤兼人賞金賞、第2回おおさかシネマフェスティバル新人監督賞など受賞。11年には『毎日かあさん』(原作・西原理恵子)が公開され、第14回上海国際映画祭アジア新人賞部門最優秀作品賞、日本映画批評家大賞主演男優賞(永瀬正敏)、毎日映画コンクール主演女優賞(小泉今日子)などを受賞。

    脚本│奥寺 佐渡子

    1966年生まれ、岩手県出身。
    社会人経験を経て、1991年より執筆活動を開始し、93年に相米慎二の『お引越し』で脚本家デビュー。毎日映画コンクール日本映画優秀賞を受賞した。96年、『学校の怪談』(95)で第19回日本アカデミー賞優秀脚本賞を獲得。98年には文化庁新進芸術家在外研修員としてアメリカに留学する。『サマーウォーズ』(09)で第9回東京アニメアワード個人賞(脚本賞)を受賞。2012年には、『八日目の蝉』(11)で第35回日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した。その他の主な脚本作品に、『花』(03)、『時をかける少女』(06)、『しゃべれどもしゃべれども』(07)、『パーマネント野ばら』(10)、『軽蔑』(11)、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『魔女の宅急便』(14)、『バンクーバーの朝日』(14)などがある。

    原作│さそう あきら 『マエストロ』(双葉社刊)漫画アクション連載

    1961年生まれ。兵庫県出身。
    早稲田大学第一文学部卒業。1984年、講談社ヤングマガジン誌上にて『シロイシロイナツヤネン』でデビュー。同作は第11回講談社ちばてつや賞大賞を受賞した。代表作には、言葉を知らずに育った少年を主人公にした『トトの世界』、現代音楽の作曲家を描いた『ミュジコフィリア』など。小学生の妊娠出産を描いた『コドモのコドモ』、天才少女ピアニストを描いた『神童』は共に映画化されている(いずれも双葉社刊)。『神童』は99年に第2回文化庁メディア芸術祭優秀賞および第3回手塚治虫文化賞をダブル受賞した。また、『俺たちに明日はないッス』(小学館刊)も08年に映画化された。現在京都精華大学マンガ学部教授。
    『マエストロ』は『神童』に続く本格派クラッシック漫画であり、第12回文化庁メディア芸術祭にて優秀賞受賞。また第13回手塚治虫文化賞にノミネートされた作品である。

    指揮指導・指揮演技監修│佐渡 裕

    故レナード・バーンスタイン、小澤征爾らに師事。1989年ブザンソン指揮者コンクール優勝。95年第1回レナード・バーンスタイン・エルサレム国際指揮者コンクール優勝。現在パリ管弦楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、ケルンWDR交響楽団、バイエルン国立歌劇場管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン交響楽団、北ドイツ放送交響楽団など、ヨーロッパの一流オーケストラを毎年多数指揮している。2015年9月より、オーストリアを代表する、107年の歴史を持つトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督に就任する。国内では兵庫県立芸術文化センター芸術監督、「題名のない音楽会」(テレビ朝日系列)の司会者を務める。最新刊として2014年10月「棒を振る人生~指揮者は時間を彫刻する~」をPHP新書より発売。
    オフィシャルサイトへ

    音楽│上野 耕路

    作曲家。1970年代後半よりバンド『8 1/2』『ゲルニカ』で活動。以後バレエ、舞台、映画、CMで活躍。1989年に『ウンタマギルー』で第44回毎日映画コンクール音楽賞。NHK音楽映像詩『幻蒼』(1995年)で第32回プラハ国際テレビ祭チェコ・クリスタル賞受賞。2004年、キューピーパスタソースたらこのCMが話題に。犬童一心監督『ゼロの焦点』(2009年)で日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。2012年、蜷川実花監督作品映画『ヘルタースケルター』の音楽を担当、犬童一心・樋口真嗣監督作品『のぼうの城』(12)では第36回日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞およびAFA2013音楽賞ノミネートを果たした。2013年三木聡監督作品、映画『俺俺』、そしてTBSドラマネオ「変身インタビュアーの憂鬱」。同年、9年ぶりのソロCD「SIRIUS B」をリリース。2014年はNHKアニメ「ナンダカベロニカ」、NHKBSドラマ「プラトニック」と活躍の場を広げている。
    日本作曲家協議会会員。JASRAC正会員。日本大学藝術学部映画学科非常勤講師。

    エンディングテーマ│辻井 伸行

    1988年生まれ。東京都出身。
    2009年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初優勝して以来、国際的に活躍している。2011年11月にはカーネギー・ホールの招聘でリサイタルを行い、好評を博した。2013年7月にはイギリス最大の音楽祭「プロムス」に出演し、「歴史的成功」と絶賛された。
    エイベックス・クラシックスより継続的にCDを発表し、2度の日本ゴールドディスク大賞を受賞。
    2011年には、幼少の頃からの自作曲や、映画やドラマのテーマ曲を集成した初の自作アルバム「神様のカルテ~辻井伸行 自作集」をリリースし、本格的な作曲家としてのデビューを飾った。映画『神様のカルテ』(11)のテーマ曲、ドラマ『それでも、生きてゆく』(11)のテーマ曲、映画『はやぶさ~遥かなる帰還』(12)の映画全編の音楽を手がけるなど、作曲家としても高い注目を集めている。映画『神様のカルテ』では「第21回日本映画批評家大賞」受賞。15年1月には、『マエストロ!』のエンディング・テーマを収録した「辻井伸行 with オーケストラ自作集」リリース予定。

    エンディングテーマ│辻井 伸行

    1988年生まれ。東京都出身。
    2009年6月に米国テキサス州フォートワースで行われた第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで日本人として初優勝して以来、国際的に活躍している。2011年11月にはカーネギー・ホールの招聘でリサイタルを行い、好評を博した。2013年7月にはイギリス最大の音楽祭「プロムス」に出演し、「歴史的成功」と絶賛された。
    エイベックス・クラシックスより継続的にCDを発表し、2度の日本ゴールドディスク大賞を受賞。
    2011年には、幼少の頃からの自作曲や、映画やドラマのテーマ曲を集成した初の自作アルバム「神様のカルテ~辻井伸行 自作集」をリリースし、本格的な作曲家としてのデビューを飾った。映画『神様のカルテ』(11)のテーマ曲、ドラマ『それでも、生きてゆく』(11)のテーマ曲、映画『はやぶさ~遥かなる帰還』(12)の映画全編の音楽を手がけるなど、作曲家としても高い注目を集めている。映画『神様のカルテ』では「第21回日本映画批評家大賞」受賞。15年1月には、『マエストロ!』のエンディング・テーマを収録した「辻井伸行 with オーケストラ自作集」リリース予定。

    プロダクションノート

    企画の始まり-―チーム『マエストロ』結成。

    2003年に「漫画アクション」(双葉社)で連載が開始された漫画「マエストロ」。『のぼうの城』で一緒に共同プロデューサーを務めた井手陽子と田中美幸が、次回作の企画として挙げたのが、クラシックをテーマにしたこのコミックだった。
    「オーケストラの音楽は誰かと一緒に共鳴する瞬間に生まれる。その瞬間には心に残る美しさがある。音楽の力を伝えることで、どの時代でも誰かと輝かしい瞬間を生きることの大切さを伝えたいと思った」(井手)。「原作に『今確かに美しいものがあったと思っても次の瞬間には消えてしまう』という台詞がある。人の命や出会い、そして生きることに繋がっている。一瞬一瞬は奇跡の積み重ねだということを感じた」(田中)。
    監督は、『かぞくのひけつ』(06)『毎日かあさん』(11)で、ユーモアと人情味溢れるドラマを描きだした小林聖太郎、そして脚本は群像劇を構成する力のある脚本家として、『八日目の蟬』(11)の奥寺佐渡子にそれぞれオファー。2011年7月に、監督、脚本家、プロデューサーが集まって初めての打ち合わせを行い、映画化が実現するかどうかは手探りの中、チーム『マエストロ!』が始動する。

    企画の始まり-―チーム『マエストロ』結成。

    『マエストロ』映画化正式決定までの道のり

    プロデューサー陣はもちろん、小林監督も脚本家の奥寺も揃って音楽好き。とはいえ、クラシック音楽については知らないことも多かった。そこで講師として呼ばれたのが、『のぼうの城』でも音楽を務めた上野耕路である。通常、音楽スタッフが関わるのは映画の製作が正式決定してからだが、今回は企画立ち上げの段階から参加することに。
    監督たちは、上野から楽譜の読み方、クラシックの歴史や様式などを学ぶほか、「運命」の様々な音源を聞き比べたりもした。同じオーケストラでも指揮者が違えばまったく違う音楽になること、逆に同じ指揮者でもオーケストラが違うと全く違う音楽になることを知り、改めてクラシックの面白さを感じる。2011年9月には、エイベックス・クラシックスの中島浩之チーフ音楽プロデューサーにも作品への協力を依頼。快諾を得たことが、映画化実現に向けての、プロデューサー陣の心の支えになった。
    その後着々と脚本や音楽の構想が練られていき、映画の制作が正式に決まったのは、2013年6月のこと。

    『マエストロ』映画化正式決定までの道のり

    楽団員たちのキャスティング

    本作で描かれる中央交響楽団は50人規模のオーケストラである。つまり、楽団員役だけで50人ものキャスト、ミュージシャンを集める必要があった。
    まず、コンサートマスターでヴァイオリニストの香坂役について。この役にプロデューサー陣が求めたのは、取材先のミュージシャンたちが共通して持っていた品の良さや内面の熱さだった。そこで選ばれたのが、熱さを秘めながら、真面目さ、人柄の良さ、上品さも感じさせる松坂桃李である。悩みながら人生の本質を掴んで行く香坂の成長と、役者として成長を続ける松坂の姿がリンクして見えた。
    一方、破天荒で存在感のあるカリスマ指揮者・天道をだれに託すのか。言葉づかいが乱暴で威圧感があるが、根底には皆を包み込む優しさがあり、ユーモアも感じさせる。そんなキャラクターを存在感たっぷりに演じることができ、音楽的素養もある俳優を考えた時に浮かんだのが、歌手としても活動する西田敏行だった。また、天真爛漫なあまね役には、音楽そのものを体現しているかのような存在として、圧倒的な説得力が出せる人が必要だった。女優でその条件を満たす人はなかなか見つからず、ヒロインを探し続けていた井手Pと田中Pだが、ある日ほぼ同時に「miwaがいいのでは?」と閃く。miwaもオファーを快諾し、初めての演技にチャレンジすることに。
    オーケストラメンバーには、できるだけ音楽の素養のある役者を探した。大石吾朗や濱田マリは元々バンド活動を行っていたし、モロ師岡はギター弾き語りをこなす。村杉蝉之介はパンクコントバンド「グループ魂」のメンバーで、斎藤暁はトランペットが特技。嶋田久作はかつてピアノの調律師だった。中村倫也は小学生の頃にティンパニ経験あり。それぞれの役者が各楽器に打ち込み、演奏者の個性をリアルに表現しており、映画を見たクラシック関係者も、「楽器とキャストのマッチングが絶妙」と太鼓判を押すほど。
    また、本作ではプロの演奏者も多数キャスティング。撮影期間が、クラシックのハイシーズンである3月~4月だったため人数を集めるのに相当苦労したが、なんとか40人近くのミュージシャンに参加してもらうことができた。ミュージシャンの方々は撮影が始まると、役者陣に対し各楽器の先生としての役割も果たすことになる。

    各楽器の個人レッスン

    『マエストロ!』は、プロのオーケストラのお話である。演じる役者陣は、それぞれの役柄の人物像を作り上げることに加え、プロ同様の弾き方もマスターする必要があった。
    コンマス香坂役の松坂は、手元が映る回数が他のパートの役者陣より多いこともあり、誰よりもハードな練習をすることに。松坂が初めてヴァイオリンを手にしたのは、2013年の6月末頃。そして同年12月頃から本格的に練習を始めた。通常、役者が演技のために弾き方を習う際は、画面に映る部分のみを集中的にやるのだが、今回は時間をかけて基礎からしっかり特訓している。しかし、右手の弓の動きに合わせて左手を譜面どおりプロのレベルで動かすのは至難の業。当初はひたすらに「キラキラ星」ばかりを演奏しなくてはならず、焦りもあったと言うが、おかげでボウイング(弓の扱い)が上手くなった。またコンマスの方への取材も行い、その役割や心構えなども学んだ。
    指揮者役の西田は、2013年12月に佐渡裕と対面し、指揮の心構えと実技を学んだほか、佐渡自身による指揮の手本映像などを見つつ、スタジオや自宅で練習を積んだ。また撮影現場では若手の指揮者2人がつき、指揮のアドバイスを西田に送ったりも。miwaはミュージシャンだけに勘が良く、初回のレッスンからフルートの音を綺麗に出すことに成功。撮影の頃には普通に吹けるようになっていた。
    他のキャスト陣は、2013年の秋頃~2014年1月頃から個人レッスンを開始した。それぞれ10回程度を予定していたが、それではマスターしきれずに、レッスン回数が膨れ上がる……。初めての合同練習は2014年3月3日。管楽器は比較的安定した演奏演技を見せるも、弦楽器チームは大苦戦。だが、この頃からキャスト陣はお互いを意識し始め、急激に演奏演技が上達して行く。

    撮影エピソードその①-練習場のシーンの撮影-

    3月6日の2度目の合同練習を経て、本作がクランクインしたのは3月9日。中央交響楽団の練習場となる鉄工所にメンバーが集まってくるシーンなどを撮影する。オーケストラの練習シーンは、その翌週から撮影開始。スタジオに建てられたセットにて、ほぼシーン順に進行していった。現場では、演技に対する監督のOKだけでなく、各楽器指導の先生方から指使いや弾き方のチェックも受けて、初めてそのカットがOKとなる。難しいカットにOKが出ると、自然と現場から拍手がわき上がったりも。
    松坂にヴァイオリン指導を行った、ミュージック・コーディネーターの小寺里奈は言う。「弦楽器は1人で弾く場合は弓の動きもごまかせますが、オーケストラの場合他のメンバーと揃っている必要があります。プロのミュージシャンと同じスピード、同じ弓の角度、同じタイミングで弾くのは相当難しかったと思います」。コンマスを演じることについては、楽団員役のプロの演奏者の中のコンマス経験者から撮影現場でいろいろなヒントを得ながら、イメージを膨らませて行った様子。「コンマスの方は人によってやり方とか表現の仕方とか、大事にしているポイントが違うんです。ですから、いろんな人の言葉を聞きながら、これは香坂で使えるかもしれない、これはちょっと違うかもしれない、と自分なりに整理しつつ、こういうオリジナリティもありえるんじゃないか?って提案したりして演じていきました」(松坂)。
    練習場のシーンの撮影中、役者陣&ミュージシャンたちの待機場所と楽器の保管場所は、セットのあるスタジオの向かいのスタジオとなった。役者たちは、ここで待ち時間の間も自主練習。スタジオの外には様々な楽器の音色が流れて来て、まるで実際のオーケストラの練習場のよう。楽器ごとに団結が深まり、自然とチーム感が生まれて行った。そんな中でも西田は、空き時間は他のキャストから離れていることが多かった。役柄的にオーケストラメンバーと距離を取る必要があったためだと思うが、いざカメラの前に立つと、緩急のある演技でその場を和ませたり、緊張感を持たせたりして、現場の空気を自在に操っていく。
    miwaは、監督や助監督とのリハーサルを経て現場に臨んでおり、重要なシーンでも見事なタイミングで涙を流すなどヒロイン役を完ぺきにこなした。神戸弁も持ち前の耳の良さで完璧にマスター。全く違和感のないイントネーションで話し、チャーミングなあまね像を作り上げている。

    撮影エピソードその②-コンサートシーンの撮影-

    コンサートシーンの撮影は、4月13日に3度目の全体練習をした後、14日より5日間の日程で、横須賀芸術劇場にて行われた。小林監督は、今までに見たことのない、映画ならではのコンサートシーンを撮るべく、さまざまなクラシックのコンサート映像を徹底研究。限られた時間の中で膨大なカットを取りきるため、絵コンテのみならず、ビデオコンテも用意し、主要スタッフで何度も打合せを重ね、綿密な計画の上撮影に挑んだ。練習場のシーンではほぼ固定されていたカメラが、コンサートシーンでは自在に躍動して行く。ラジコンヘリを使った空撮カットなどもあり、ユニークでスケール感溢れる映像が誕生している。
    コンサート会場での待ち時間、役者陣はひたすらに楽器の練習を続けていた。もはや映画の撮影と言うより、普通のオーケストラと同じ状態となっている。松坂もとにかく練習をやめない。手や指の美しい松坂は、吹き替えを使うとばれてしまうという事情もあり、ロケバスの中でも控室でも、練習する場所がなければ屋外やカラオケボックスでも……と、ひたすらレッスンをこなす日々を経て、このクライマックスに挑んでいる。
    コンサートシーン撮影の最初の2日間には、奇跡的にスケジュールの空いた佐渡が休日を返上し、現場にやってきて指揮指導を行った。佐渡の指揮に合わせて、西田がタクトを振る。佐渡は西田の目の前で、客席の方を向いて立つことになったため、この日のエキストラは、彼の指揮を真正面から見るという貴重な経験もできた。そして、エキストラの方からの大きな拍手が現場の士気をどんどん高めて行った。
    順調に撮影は進み、横須賀芸術劇場での5日目。最後は一人一人の表情のアップを撮って行く。西田は自分が映っていないところでもカメラの後ろで指揮棒を振り、役者陣の熱い演技を引き出していた。ついにすべての演奏シーンの撮影が終わると、涙を流す役者も。妥協せず熱血指導をしてきた先生方も涙。演奏シーンの撮影を振り返れば、とにかく、松坂をはじめとする役者陣の、本番での集中力はすばらしいものがあった。当初は、吹き替えが必要となる状況も想定していたが結局誰一人、吹き替えを使わずに乗りきった。
    ...次ページへつづく

    撮影エピソードその②-コンサートシーンの撮影-

    ミュージックコーディネーターの小寺は言う。「ここまで求めるなんてかわいそうじゃないかと思う時も実はありました。でも、できてしまうから欲が出る。それぞれの役者が、楽器が体の一部になるまで練習しているので、弾いていない時の所作までもリアルで自然で、経験者が思わずニンマリするほど(笑)。クラシック経験者ほど、小ネタも楽しめる作品になっていると思いますね」。
    たとえば、香坂の自宅のシーンで松坂の鎖骨にあるアザは、ヴァイオリニストならではのもの。松坂が練習する中で、実際にできたアザである。オーボエやクラリネット奏者がリードをくわえる瞬間などもいかにもミュージシャンらしい。ちなみに香坂のヴァイオリンやケースは役柄に合わせてこだわって選んだもので、特にケースにミュージシャンの個性が出ているのにも注目だ。
    現場を振り返って松坂は、「キャスト・スタッフが全員戦友のような感じでした。言葉を交わさずとも、苦悩とか喜びがわかる。一致団結していたし、グルーヴ感がすごくありました。ワンカット撮るごとにスタッフやキャスト、そしてエキストラの方からも拍手が出るというなかなかない現場で。後半にかけてどんどん士気が高まっていったような感じでした」。
    そして本作は4月20日、すべての撮影を終え無事クランクアップ。見事コンマス役を務めあげた松坂にはヴァイオリンがプレゼントされた。

    『マエストロ!』完成-音楽の本物感-

    スタッフ・キャスト陣の頑張りをサポートするのは、本物の音である。コンサートシーンの「運命」と「未完成」は、日本を代表する世界的指揮者の佐渡裕が、ベートーヴェンの故郷・ドイツで、ベルリン・ドイツ交響楽団を指揮して録音を行ったもの。
    辻井伸行は、ストーリーのテーマや現場の熱をくみ取って映画にぴったりのエンディングテーマを書き下ろした。プロデューサー陣は言う。「『マエストロ!』は、ある意味最高の音楽が生み出す、最高の余韻の物語。エンディングには、本物の音楽が必要だった。まさにその通りの楽曲でした」(井手)。「辻井さんの持っているピュアネスがこの作品を包んでくれたらいいなという思いがありました。音楽の美しさ、生きている人たちの美しさを、映画が終わった後にさらに補強してくれているように感じます」(田中)。加えて、上野耕路による劇音楽が作品をさらに盛り立て、“本物”の音楽で彩られたオーケストラ映画が誕生した。

    『マエストロ!』完成-音楽の本物感-